上総広常邸(高藤山城)

上総広常邸だったとされる高藤山城址

安房国へ渡った頼朝軍が向かったとされる上総権介広常の居館は、上総一宮である玉前神社の南方に位置する低山に築かれた高藤城だったとの伝承があります。谷津に開かれた水田に沿った道を深く分け入ると、高藤城址へ続く山路の入口が見えてきます。ここから急な坂道を登った山頂付近に、平場や堀切の跡が残っています。

城址へ続く山道の入口と水田

現在の遺構は十五世紀以降のものとされるので、頼朝たちが向かった上総広常の居館とは様相が異なっているでしょう。それでも周囲を高い山に囲まれた要害の地だったことは間違いありません。標高約八十メートルの山頂からは、一宮周辺から太平洋までを見渡せます。山頂には上総広常を顕彰する古蹟碑が建てられています。

高藤山城跡の東側を走る「憩いの森通り」沿いに城址入口があります。周囲に駐車場はありませんが、路肩に一時駐車するスペースはあります。山路はかなり急なので、気を引き締めて登りましょう。

(公開日:2024-01-08)