北条館

伊豆国にあった北条時政の邸宅跡

『吾妻鏡』は治承四年四月、源三位頼政が以仁王から令旨を下され、それを源行家が伊豆国の北条館に届けた場面から始まります。「頼朝は水干に改め、まず男山の方を遙拝した後に、謹んで令旨を開いて見られた。」と『吾妻鏡』は記します(『現代語訳 吾妻鏡』吉川弘文館より。以下、特に断らない場合は同書からの引用)。

北条氏邸跡(円成寺跡)は現在の静岡県伊豆の国市寺家の守山西公園に伝承地として保存されています。現地は広場があるのみですが、案内板により建物のあった位置が分かります。隣接する守山の展望台まで登山道があり、かなりの急坂を30分ほど登り切ると、山頂に展望台があります。ここから山木兼隆館方面を遠望するのが一興です。

守山の展望台から山木兼隆館方面を臨む。

北条氏邸跡の周囲には、時政が建立したとされる願成就院や時政墓も隣接します。狩野川に沿う守山西公園には無料駐車場やトイレ、飲料自販機がありますので、ここに車を停めて周囲を探訪すると良いでしょう。

(公開日:2023-01-08)