大石駅

大石駅を河口湖対岸から望む

甲斐源氏と北条時政が陣を構えたとされる大石駅は、河口湖北岸の河口湖町大石付近だったと考えられます。彼らは甲斐国の石和いさわ御厨(現、山梨県笛吹市石和町付近)から南下して河口湖まで進軍しました。

上の写真を見ても分かるとおり、大石駅の背後は非常に険しい山並みが立ちはだかります。重装備の騎馬武者隊が移動するのは、なかなか大変なことだったでしょう。そうまでして甲斐源氏が駿河国へ向かったのは、平家に忠誠を誓う駿河国目代の橘遠茂が率いる軍勢と対決するためでした。

ひと月ほど前に波志太山で一戦交えた甲斐源氏軍と駿河国軍は、雌雄を決するべく最終決戦に向けて着々と準備を進めていたのです。大石駅は富士山の東西どちら側へも軍勢を展開できる位置です。ここに兵を集結させ、敵側の動きを探っていた甲斐源氏の元へ、駿河国軍は富士山西側ルートから北上してくるとの情報が入ります。甲斐源氏軍はすぐさま兵を本栖湖方面へ進めました。

大石駅に比定されるあたりには、河口湖の向こうに富士山の雄姿が望める大石公園があります。駐車場やレストラン、土産物店もあって、多くの観光客で賑わいます。

大石公園
(公開日:2024-03-13)